【夏の風物詩】~風鈴編~
日本の夏の風物詩の一つである「風鈴」について記事を書きたいと思います。
1) 日本の風鈴の起源
日本の風鈴は中国から伝わった風鐸(ふうたく)がもとになったと言われています。
中国の唐の時代に占風鐸(せんふうたく)という占いがありました。竹林の東西南北に、風鐸という青銅でできた鐘のようなものを吊るし、風の向きや音の鳴り方で物事の吉凶を占うもので、政治判断等が行われていたそうです。
この風鐸が、日本に仏教とともに伝わったと言われています。風鐸は、お寺の屋根に吊り下げられ、その音が響く範囲は災いや疫病から守られると信じられていました。
平安時代に貴族が魔除けとして屋根の下に吊るしていたそうで、「風鈴」という呼び名は、この頃から使われるようになったそうです。
魔除けや疫病払いのために飾られてきた風鈴ですが、今の日本では暑い夏に涼しげな音を楽しむ道具として定着しています。
<風鐸>
2) 日本の風鈴の構造
風鈴は主にお椀型の外見とその中にあって音を響かせる舌(ぜつ)、舌の先に紐でぶら下げる短冊の三つの部品から構成されています。
外見は、ガラスや陶器、金属等で作られた鐘の部分です。風鈴は舌の部品によって音を発しています。舌の先には「短冊」と呼ばれる細長い紙が紐などで吊り下げられているのが一般的な風鈴の形です。
短冊が風をうけて揺れ、その揺れで舌が揺れ、鐘とぶつかることによって、風鈴は涼しげな音を発しているのです。外観や素材、職人の手作業などによって風鈴の音色が微妙に異なるのは日本の風鈴の魅力です。
3) 風鈴の種類
日本各地で作られている風鈴は、それぞれ特徴があり、外見や素材、音色が異なるため、種類がたくさんあります。この中から四つ紹介していきたいと思います。
・江戸風鈴(えどふうりん)
江戸風鈴は江戸時代からの技法を受け継いで作られている手作りのガラス風鈴です。
・南部風鈴(なんぶふうりん)
岩手県の伝統工芸である南部鉄器と同じ技術で作られた鋳物製の風鈴です。
・小田原風鈴(おだわらふうりん)
小田原で室町時代からの伝統を受け継ぐ鋳物工房の風鈴です
・明珍火箸風鈴(みょうちんひばしふうりん)
兵庫県姫路市の伝統工芸品、明珍火箸を使って作られた風鈴です。厄除けとして明珍火箸を贈る風習もあるため、厄年の方への贈り物や玄関チャイムとして選ばれることが多いです。
4) 2021年に実施された関西の風鈴祭り
【兵庫】十輪山 光明寺~風鈴まつり~
開催期間:2021年7月12日(月)〜2021年9月12日(日)、09:00~16:00
所在地:兵庫県佐用郡佐用町平福149
公式HP: http://fukurounotera.com/blog/
【京都】正寿院~風鈴まつり~
開催期間:2021年6月21日(月)~2021年9月18日(土)、9:00~16:30
所在地:京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149
公式HP: https://www.facebook.com/syoujuin28/
【奈良】おふさ観音~風鈴まつり~
開催期間:2021年7月1日(木) ~ 2021年8月31日(火)、9:00~16:00
所在地:奈良県橿原市小房町6-22
公式HP: http://www.ofusa.jp/furin.html
【大阪】風鈴と風車の広場~
開催期間:2021年7月1日(木)~2021年9月9日(木)、9:00~16:00
所在地:大阪府三島郡島本町広瀬3丁目10-24
公式HP: https://www.minasejingu.jp/shoufuku.html
今回は日本の夏の風物詩~風鈴について紹介しました。素敵な風鈴との出会い、いろんな風鈴の音を楽しんでみてください。
[ベトナム職員 M]